Category Archives: Technology-Assisted Review

2019年テクノロジー支援型レビューに何が起きるのか

本稿の初出はLaw360の2019年1月3日付け記事です。

2018年はテクノロジー支援型レビュー(TAR)が転換点を迎えた年として記憶されることになるでしょう。TARの使用が可能なのか否かという議論はほぼ終わり、関心はTARをどう使用するかという点に移りました。この疑問には2つの側面があります。訴訟の分野で問題となるのは、TARの成果をこと細かく分析すべきなのか、だとしたらどの程度まで細かく分析して、TARを利用したレビューの実施基準について議論を進めるべきなのか、という点です。訴訟以外の分野では、関心の的はTARに代わるテクノロジーと法務の世界において、TARの別の用途を見つけ出すことへと移ってきました。 Continue reading

テクノロジー支援型レビューの最大の弱点はそれを使う人間なのでしょうか?

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10月中旬に知人のマイケル・クアルタラロが「ABOVE THE LAW」に記事を投稿(原文英語)し、テクノロジー支援型レビュー(TAR)の最大の弱点はそれを使用する人間にあるのではないか、という疑問を投げかけました。マイケルはそれが事実なのか否かについて考えを述べるだけで、明確には答えを示しませんでした。そんなわけで、筆者は以下のような疑問を呈さなければなりません Continue reading

ブロイラーチキン反トラスト法違反事件におけるTAR

TAR_for_Smart_Chickens-1専門委員であるグロスマン氏が、ブロイラーチキン反トラスト法違反事件において新たな検証プロトコルを提案しています。

検証はテクノロジー支援型レビュで困難を極める部分のひとつです。このことについて、及びレビュー対象文書に含まれる関連文書のうち何件発見できるか(以下、「発見率」という)を証明することの難しさついて、当社はこれまでに以下のような記事を発表してきました。 Continue reading

Ask Catalyst:第1世代TARと第2世代TARはどこが違うのですか?

[編集者より:本記事は「Ask Catalyst」シリーズの新しい投稿記事です。同シリーズではeディスカバリの検索やレビューに関する質問にお答えしています。詳細を知りたい方、あるいは質問のある方はこちらをご覧ください。]

今回は以下の質問を取り上げます。Twitter_Ask_Catalyst_John_Tredennick

「貴社のブログにはよく「第1世代TAR」とか「第2世代TAR」という言葉が出てきます。私はテクノロジー支援型レビューの考え方を全般的に理解しているつもりですが、第1世代とか第2世代という分け方をする意味がよくわかりません。どこが違うのか説明していただけますか?」

今回の回答者は創業者兼CEOのジョン・トレデニックですContinue reading

事例紹介:レビューでTARを使用し始める時期に手遅れはあるのか?

Case_Study-300x200「何かを始めるのに遅すぎるということはない。」よくそういう言葉を耳にします。しかしそれはテクノロジー支援型レビューにもあてはまるのでしょうか。法務担当者が手作業で行うレビュー業務にかなりの長時間を費やしてしまった後でも、TARを使う価値はあるのでしょうか。ある特許関連訴訟でクライアントがTARの使用をなかなか認めず、法律事務所が収集文書の半数近くを手作業でレビューしたあとに、ようやく認めてくれたという事例がありました。この訴訟案件で問題になったのが、まさにこの点でした。結果としては、レビュー業務が終盤にさしかかってから使い始めたにもかかわらず、Insight Predictのおかげで時間と費用を大幅に節減することができました。 Continue reading

継続能動学習に関して自社のTAR業者にすべき5つの質問

blog_tar_vendor_questionsモウラ・グロスマン氏とゴードン・コーマック氏は2014年7月付の論文「Evaluation of Machine-Learning Protocols for Technology-Assisted Review in Electronic Discovery」で、両氏の管理下で行ったTARに関する研究の結果を発表しました。両氏はその中で継続能動学習(CAL)プロトコルとシステムの訓練を1度しか行わない第1世代TARのプロトコル2種について、その効力を比較しました。その結果、CALプロトコルの方が効力が高く、ほとんどどんな場合でも第1世代TARより優れていることが判明しました。

これによってCALの優位性が確立されため、eディスカバリを手がける業者は流行に乗り遅れまいといっせいにCALに飛びつきました。突如としてあらゆるeディスカバリ・ベンダーがCALを使用するか、あるいは何らかの形で自社のプロトコルにCALを組み込もうとしたのです。 Continue reading

連邦裁判所が再度TARは手作業によるレビューより 有効と判断

eディスカバリとテクノロジー支援型レビュー(TAR)の歴史の中において、Malone v. Kantner Ingredientsはほんの些細な出来事にすぎないでしょう。たとえ些細な出来事でなかったとしても、この訴訟案件にはここで取り上げるだけの意味はほとんどないかもしれません。

最初の判例は2012年に米国治安判事のアンドリュー・J・ペック氏が出した画期的な見解書「Da Silva Moore v. Publicis Groupe」であり、これは裁判所がTARの仕様を認可した初めての事例でした。最新の判例は同じくペック判事が先日Rio Tinto PLC v. Vale SAで出した見解書で、同書には「判例法が形成され、開示側当事者が文書レビューにTARを使用したいと望んだ場合、裁判所がそれを許可するのが今や基本的法原則となっている。」という記述があります。 Continue reading

アンドリュー・ペック治安判事が法廷におけるTAR使用について議論

テクノロジー支援型レビューの使用を認める史上初の判決を出した米国治安判事のアンドリュー・J・ペック氏が先日、Legal Talk Networkのポッドキャスト番組Digital Detectivesにゲスト出演し、司会役でSensei Enterprisesの社長を務めるシャロン・D・ネルソン氏と副社長を務めるジョン・W・シメック氏から、TARの仕組みやどんな事例に向くのか、法廷でどのようにして受け入れられようとしているのかについてインタビューを受けました。

ペック判事がTARの普及に主導的な役割を果たしていることから、同氏の発言は本ブログの読者にとって興味深いのではないかと思われます。おかげさまでシャロン氏、ジョン氏、そしてLegal Talk Networkの了承を得ることができましたので、以下に番組内でペック判事がTARについて話している部分を抄録します。番組の全容はSoundcloudプレーヤーをご利用の上、Legal Talk Networkでお聞きください。 Continue reading

CALが話題になる理由、それは弁護士が本来の仕事に戻れるから

筆者は最近、講演やeディスカバリ関連のイベントに参加するため、出張をすることが多くなっています。先日はダラスで開催されたセドナ会議第1作業部会の年央会議に出席し、その前はフロリダ大学の第3回eディスカバリカンファレンスと第4回ASU-アークフィールドeディスカバリ・デジタル・エビデンス・カンファレンスで講演を行いました。infographic_predictiveranking Continue reading

ペック判事最新情報:TARは今や「基本的法原則」、 継続能動学習の効果でシード文書が大幅に減少

アンドリュー・ペック治安判事
アンドリュー・ペック治安判事

アンドリュー・J・ペック判事がDa Silva Moore v. Publicis Groupe & MSL Grp., 287 F.R.D. 182(ニューヨーク州南部連邦地方裁判所、2012年)(Peck, M.J.)、認容2012 WL 1446534(ニューヨーク州南部連邦地方裁判所、2012年4月26日)で初めてeディスカバリにおけるテクノロジー支援型レビューの使用を認める判決を出してから3年がたちました。同判事は当時、「本見解は裁判所がコンピュータ支援型レビューの使用を認めた事例としては初めてのものであるようだ」と述べています。

さて、ペック判事は昨日発表した見解書の中で以下のように述べました。「Da Silva Moore後の数年間で判例法が形成され、開示側当事者が文書レビューにTARを使用したいと望んだ場合、裁判所がそれを許可するのが今や基本的法原則となっている。」

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