ペック判事最新情報:TARは今や「基本的法原則」、 継続能動学習の効果でシード文書が大幅に減少

アンドリュー・ペック治安判事
アンドリュー・ペック治安判事

アンドリュー・J・ペック判事がDa Silva Moore v. Publicis Groupe & MSL Grp., 287 F.R.D. 182(ニューヨーク州南部連邦地方裁判所、2012年)(Peck, M.J.)、認容2012 WL 1446534(ニューヨーク州南部連邦地方裁判所、2012年4月26日)で初めてeディスカバリにおけるテクノロジー支援型レビューの使用を認める判決を出してから3年がたちました。同判事は当時、「本見解は裁判所がコンピュータ支援型レビューの使用を認めた事例としては初めてのものであるようだ」と述べています。

さて、ペック判事は昨日発表した見解書の中で以下のように述べました。「Da Silva Moore後の数年間で判例法が形成され、開示側当事者が文書レビューにTARを使用したいと望んだ場合、裁判所がそれを許可するのが今や基本的法原則となっている。」

この見解書が発表されたのはRio Tinto PLC v. Vale SA, Case 1:14-cv-03042-RMB-AJP(ニューヨーク州南部連邦地方裁判所、2015年3月3日)です。ペック判事が問われたのは、当事者に所定のTARプロトコルの使用を認めるか否かという問題でした。しかし同判事はこの機会を利用して、TARの問題点や使用手順をめぐってeディスカバリ関係者の利害関係を超えた、幅広い問題のいくつかについて裁定を下しました。

同判事が裁定を下した主な問題は、TARのシード文書または訓練用文書に関して、両当事者にはどの程度の透明性と協力が必要になるか、ということでした。ペック判事はこの問題が争点となった多数の事案を見直して、両者は別々の問題であると結論づけ、以下のように記しました。「したがって、透明性について両当事者の合意が得られない場合、裁定を分割すればディスカバリの文脈における議論は健全なものとなる。」

ペック判事は特に、TARが継続能動学習を利用した手法を採用している場合、透明性は以前ほど問題にならなくなってきていると述べています。「TARが継続能動学習(CAL)を利用した手法を採用している場合、(単純受動学習(SPL)や単純能動学習(SAL)と異なり、)シード文書の内容の重要性ははるかに低くなる。」

その根拠として、ペック判事はゴードン・V・コーマック氏とモウラ・R・グロスマン氏が執筆した2本の論文、Evaluation of Machine Learning Protocols for Technology-Assisted Review in Electronic Discovery, in Proceedings of the 37th Int’l ACM SIGIR Conf. on Research & Dev. in Info. Retrieval (SIGIR ’14) (アメリカ計算機学会ニューヨーク、2014年)と Comments on “The Implications of Rule 26(g) on the Use of Technology-Assisted Review,” 7 Fed. Cts. L. Rev. 285(2014年)を引用しています。

本ブログの多数の投稿や弊社が先日刊行した書籍、「TAR for Smart People: How Technology Assisted Review Works and Why It Matters for Legal Professionals」で説明した通り、CALを利用すると必要なシード文書の数が減るか、あるいは必要なくなります。TARエンジンが全文書のランク付けを常時、継続的に行うからです。訓練の成否は無作為に選んだ少数の文書ではなく、文書全体におけるランキングの変動に左右されます。

(CALというのはカタリストのTARプラットフォーム、Insight Predictで使われている手法です。)

ペック判事の指摘によると、両当事者によるシステムの訓練を適正なものとするためには、両者が協力する以外にも方法があります。

いずれにせよ、当職は概ね協力の効果を信頼するものではあるが、開示要求を行った当事者は、システムの訓練とレビューが適正に行われたかどうかを、レビュー完了時点の発見率の統計的推定といったその他の根拠、開示内容に食い違いがあるか否かの判断、開示不要に分類された文書のサンプルの品質管理検証によっても確認することができる。

ペック判事は最終的に、同案件ではシード文書の透明性について裁定を下す必要はないと結論づけました。両当事者が比較対照群中に存在する秘匿特権を持たない文書をすべて開示するという手続に同意したためです。ただし、同判事は以下の注意を書き加えています。

1点強調しておかなければならないのは、TARにキーワード検索や手作業によるレビューより高い基準を設定するのは不適切だということである。そうすると進行中の訴訟手続にかかる時間や費用がレビューにTARを使用することで節減できる時間や費用を上回るのではないかという恐れから、訴訟の当事者にTARの利用をためらわせることになる。

ペック判事は見解書の結論として、両当事者のTARプロトコルを認めています。ただし、この結論に達したのは両当事者がそれに同意したからだと注記しています。同判事はTARの使用手順を「いくぶんあいまいで具体性を欠く」と形容し、必ずしも将来的な案件の指針と考えるべきものではないとしています。

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